金 COT レポート解説 2026-08-18: 価格下落でも投機筋は買い増し、ネットロングは1年上位に接近

8月18日火曜時点のマネージド・マネー(MM)のネットロングは +141,648 枚と前週から +3,986 枚増加し、1 年パーセンタイルは 87.5 と混雑ゾーンに入っています。建玉全体も 406,260 枚(前週 +5,951 枚)と増加し、コード判定の 4 象限は「新規買い主導」でした。一方、火曜→火曜の金価格は 4,367.72 ドルから 4,335.68 ドルへ -0.73% と小幅下落しており、価格軟化の中で買いが積み上がる形です。なお報告日以降、価格は 4,608.28 ドル(+6.29%)まで急伸しており、報告時点のロング勢は大きく報われた格好となっています。

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COT レポート解説 · 報告日 2026-08-18

公表 2026-08-21(金)15:30 ET

記事作成 · 投機筋の偏り 買いに大きく偏り · 今週の流れ 新規買い主導

価格下落でも投機筋は買い増し、ネットロングは1年上位に接近

8月18日火曜時点のマネージド・マネー(MM)のネットロングは +141,648 枚と前週から +3,986 枚増加し、1 年パーセンタイルは 87.5 と混雑ゾーンに入っています。建玉全体も 406,260 枚(前週 +5,951 枚)と増加し、コード判定の 4 象限は「新規買い主導」でした。一方、火曜→火曜の金価格は 4,367.72 ドルから 4,335.68 ドルへ -0.73% と小幅下落しており、価格軟化の中で買いが積み上がる形です。なお報告日以降、価格は 4,608.28 ドル(+6.29%)まで急伸しており、報告時点のロング勢は大きく報われた格好となっています。

MM ネット

+141,648

前週 +3,986

1 年 / 3 年パーセンタイル

87.5 / 61.9

1 年レンジ +89,752〜+163,519

建玉(OI)

406,260

前週 +5,951

金価格(火曜→火曜)

4,336

-32(-0.73%)

投機筋の偏り

MM ネット +141,648 枚は 1 年パーセンタイル 87.5 で、1 年レンジ(+89,752〜+163,519 枚)の上位に位置します。3 年パーセンタイルは 61.9 と中位上寄りにとどまるものの、直近 1 年の物差しでは買いが混み合っている水準と判断します。

今週の流れ(ネット × 建玉の 4 象限)

コード判定の 4 象限は「新規買い主導」(MM ネット +3,986 枚 × 建玉 +5,951 枚)でした。ただし火曜→火曜の価格は -0.73% と下落しており、「価格下落 + 新規買い」というやや乖離した組み合わせです。押し目でロングが積み増された形で、報告日以降の +6.29% の急伸を踏まえると、この週の買い増しは結果的に順行したことになります。

マネージド・マネー

MM ロングは 154,595 枚(前週 +5,961 枚)と増加した一方、ショートも 12,947 枚(前週 +1,975 枚)増えており、両建てで参加が拡大しました。ネットでは +3,986 枚の増加で、4 週で +16,817 枚、13 週では +48,108 枚と中期の買い基調が続いています。ロング比率は建玉全体の 38.1% に達し、ショート比率は 3.2% と極端に低いままです。参加者数は MM ロング 90 者に対しショート 14 者と、買い方の裾野の広さが目立ちます。

商業筋(Producer-Merchant / Swap Dealers)

Producer/Merchant のネットは -29,761 枚(前週 -1,826 枚)、Swap Dealers は -228,657 枚(前週 -3,952 枚)で、商業筋合計は -258,418 枚(前週 -5,778 枚)と売りが積み増されました。13 週前(5 月 26 日)の合計 -185,766 枚から約 7.3 万枚ショートが拡大しており、投機筋の買いを商業筋が受ける典型的な構図が強まり続けています。

その他の大口・小口

Other Reportables のネットは +80,541 枚(前週 +263 枚)とほぼ横ばい、Non-Reportable(小口)は +36,229 枚(前週 +1,529 枚)と小幅な買い増しで、いずれも特筆すべき変化はありません。

建玉と参加者

建玉は 406,260 枚と前週から +5,951 枚、4 週では +22,892 枚増加しましたが、1 年パーセンタイルは 43.3 とまだ中位以下で、市場全体の過熱感は限定的です。参加者数は全体 292 者、上位 4 社の集中度はロング側 20.3% に対しショート側 38.9% と、売り方の集中が相対的に高い構造です。

価格とポジションの関係

報告週の価格は火曜→火曜で -0.73%(終値レンジ 4,335.68〜4,416.63 ドル)と軟調でしたが、MM は新規買いを進めており、価格とフローに軽い乖離がありました。報告日以降は 4,608.28 ドル(報告日比 +6.29%)まで急伸し、報告時点で積み上がっていたロングは大きく報われています。ただしこの急伸分のポジション変化は来週の COT で初めて確認できる点に注意が必要です。

報告日以降の直近終値 2026-08-22: 4,608.28(報告日比 +272.60 / +6.29%)

直近 13 週のカテゴリー別ネット(枚)

報告日建玉 MM ネットP/M SwapOther小口
2026-08-18406,260 +141,648-29,761 -228,657+80,541+36,229
2026-08-11400,309 +137,662-27,935 -224,705+80,278+34,700
2026-08-04371,551 +130,766-18,856 -207,635+66,868+28,857
2026-07-28384,603 +119,795-20,549 -191,760+62,275+30,239
2026-07-21383,368 +124,831-19,321 -193,878+59,079+29,289
2026-07-14383,689 +120,779-19,149 -195,639+65,903+28,106
2026-07-07371,776 +116,161-20,986 -201,296+78,085+28,036
2026-06-30369,541 +120,091-17,046 -204,024+73,928+27,051
2026-06-23352,167 +115,395-9,336 -196,068+65,944+24,065
2026-06-16339,330 +113,721-17,047 -190,516+66,499+27,343
2026-06-09332,709 +105,863-19,300 -181,736+67,974+27,199
2026-06-02326,052 +112,179-20,154 -186,191+63,841+30,325
2026-05-26353,489 +97,446-19,510 -166,256+56,814+31,506

データ

金価格と COMEX 投機筋(マネージド・マネー)ネットポジション(3 年)
金 USD/oz(週足) 4,209 MM ネット(枚) 127,389
1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 -100,000 0 100,000 200,000 300,000 23/10 24/05 24/12 25/07 26/02 26/09

ネットロングが過去レンジの上端に近いほど「買い余力が少なく、巻き戻しが急になりやすい」。方向ではなく混み具合を読む。

出所: CFTC Disaggregated COT / TwelveData

報告日 2026-08-18 の主要項目(Disaggregated Futures Only)
項目値(枚)前週差読み方
建玉(OI)406,260+5,951市場全体の参加資金の増減
MM ロング154,595—投機筋の買い持ち
MM ショート12,947—ショートカバーの燃料
MM ネット+141,648+3,986ロング − ショート。前週差と建玉前週差の符号で新規参入/手仕舞いを判別
MM ネット 1 年パーセンタイル87.5—80 以上 / 20 以下が偏りの目安
MM ネット 3 年パーセンタイル61.9—3 年レンジ: -26,767 〜 +219,029
Producer/Merchant ネット-29,761—現物ヘッジャー。構造的にネットショート
Swap Dealers ネット-228,657—顧客の投資需要の鏡

パーセンタイルは過去 52 / 156 週のネットの分布内での位置。読み方の詳細は「COT レポート入門」第 2 章。

出所: CFTC Public Reporting API(市場コード 088691)

来週見るべきもの

次回: 報告日 2026-08-25(火)分が 2026-08-28(金)15:30 ET に公表予定

この記事の要点

今週は価格が小幅に下がる中で投機筋が新規買いを進め、ネットロングは 1 年パーセンタイル 87.5 の混雑ゾーンに入りました。報告日以降の急伸でそのロングは報われましたが、混雑度が高いほど巻き戻し時の値動きは急になりやすい点は変わりません。来週は急伸を受けた MM ネットと建玉の反応、商業筋のヘッジ売りの厚みを確認するのが観察の中心になります。

データ上の留保: 終値は XAU/USD の D1(JST 日付)による概算で、COT の基準時刻(火曜 NY クローズ)とは厳密には一致しません。報告日以降の急伸の背景となる材料は本データには含まれておらず、要因の特定はできません。

用語と読み方: COT レポート入門 · COT レポートと建玉(ゴールド要因 第 7 章)